
ガムランの先生が楽器を直しに行くというので、くっついて行った。先生が工房で交渉をしている間、ふらふら近所を散歩していたら、村の集会所に女の子たちが集まってこれから踊りの稽古が始まろうとしているところに出くわした。のぞいていたら、外国人が珍しいのか、女の子たちが全部こちらに押し寄せてきてしまった。
「どこから来たの?」
「誰と来たの?」
「名前は何ていうの?」
「これからどこに行くの?」
中には日本語を習っているという子もいて、「ハジメマシテ、ドゾヨロシク」
稽古が始まる前に先生が戻ってきてしまったので、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にしたが、振り返るともう稽古が始まっていて、さきほどの無邪気な女の子たちがあの色っぽいS字の型を作っているのだった。