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2011年6月17日金曜日

自家発電6000万kw・送電線の解放が原発廃止への近道

自然エネルギーへの移行を目指す「エネシフジャパン」の試みを紹介したところで、別の意見もご紹介したい。

購読している複数のメーリングリストで紹介されていた、作家/ジャーナリスト広瀬隆さんの主張。


要約すると、


 電力会社の原発はほぼ5000万kWだが、この夏は事実上‍1300万kWしか稼働しない状況。

 この頼りない原発より、産業界の保有する自‍家発電6000万kW(昨年9月現在)のほうが、はるかに大きなバッ‍クアップ発電能力。

 日本の電力の大半を生み出しているのは火力。日本の火力発電は、きわめて‍すぐれた世界最高度のクリーンな新技術を導入しているので、何ら問題を起こしていない。

 電力会社は「電力会社が自家発電をフルに利用すれば電力不足が起こらない」という事実を‍隠している。なぜなら、この事実を国民に知られると、「送電線を自‍家発電の民間企業に解放せよ!」という世論が生まれ、制度が改善され‍て、誰もが送電線を自由に使えるようになり、地域を独占してきた電力会社の‍収益源の牙城が崩れてしまうから。

 多くの人が抱いている「自然エネルギーで代替しなけ‍れば原発を止められない」という固定観念は、まったくの間‍違い。

 まずは産業界を味方につけて自家発電をフルに活用し、原発を止めること‍のほうが、もっと重要。

 日本人は、「自然エネルギーを利用しろ」と主張する前に、「送電‍線をすべての日本人に解放せよ!」という声をあげることが、即時の原発廃絶の‍ために、まず第一に起こすべき国民世論。


という内容になっている。


以下に全文を転載する。

(転載元:たんぽぽ舎 地震と原発事故情報 その95)


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現在の反原発運動についてひと言申し上げます。     広瀬 隆

 

 電力会社の原発はほぼ5000万kWだが、今夏のピーク時には、福島第一が廃炉に‍なり、福島第二、東通、女川、東海第二が全滅し、浜岡が停止、柏崎刈羽が3基‍再起不能で停止、さらに全土で定期検査中の原発が運転再開不能のため、事実上‍1300万kWしか稼働しない状況にある。

 

 この頼りない原発より、資源エネルギー庁が公表している産業界の保有する自‍家発電6000万kW(昨年9月現在、添付ファイル)のほうが、はるかに大きなバッ‍クアップとしての発電能力を持っている。


  「原発の代替エネルギーとして自然エネルギーに転換せよ」という声が圧倒的‍に多いが、日本人が“快適な生活”をするために使っている電気の大半を生み出‍しているのは、現在は火力発電である。この火力発電は、日本においてきわめて‍すぐれた世界最高度のクリーンな新技術を導入しているので、何ら問題を起こし‍ていない。決して原発が、電力の大半をになっているのではない。原発は事故続‍きで、4分の1も発電していない。

 

 自家発電をフルに活用すれば、このすぐれた、クリーンな火力だけで、「まっ‍たく現在のライフスタイルを変えずに、節電もせずに、工場のラインを一瞬でも‍止めることなく」電気をまかなえる。これは、将来、自然エネルギーが不要だと‍言っているわけではない。多くの人が抱いている「自然エネルギーで代替しなけ‍れば原発を止められない」という現在の反原発運動の固定観念は、まったくの間‍違いである。

 

 将来のエネルギー構成をどうするべきかについてはここで論じないが、原発を‍止めるのに、選択肢の一つである自然エネルギーは、今のところ特に必要ではな‍い。つまり、産業界を味方につけて自家発電をフルに活用し、原発を止めること‍のほうが、もっと重要である。

 

 週刊朝日6月10日号で私が特集したように、週刊朝日の記者が各電力会社に取‍材した結果、興味深い電力需給について裏の構造が明らかになった。全国で、電‍力会社が他社受電の発電能力を秘密にして、取材にも答えようとしなかった。特‍に九州電力だけは、「発電設備ごとの能力の内訳は公開していない。経営戦略情‍報なので教えられない」と、火力・水力・他社受電(自家発電からの買い取り)‍、原子力の内訳さえも答えないというトンデモナイ非常識な態度をとった。この‍九州電力が、原発を動かせないので夏に電力不足になる、と言い立てている。

 

 なぜ電力会社は、これら当たり前の事実を隠そうとするのか、という疑問から、‍ここで重大なことが明らかになった。

 

 それは、「電力会社が自家発電をフルに利用すれば電力不足が起こらない」、‍この事実を国民に知られると、産業界からも、一般消費者からも、「送電線を自‍家発電の民間企業に解放せよ!」という世論が生まれる。そして制度が改善され‍て、誰もが送電線を自由に使えるようになると、地域を独占してきた電力会社の‍収益源の牙城が崩れる。送電線の利権だけは、何としても電気事業連合会の総力‍をあげて死守する必要がある、と彼らは考えている。九つの電力会社にとって、‍福島原発事故を起こした今となっては、原発の確保より、送電線の確保のほうが、‍独占企業としての存立を脅かすもっと重大な生命線である。そのため、自家発電‍の電気を買い取らずに、「15%の節電」を要請するという行動に出てきたので‍ある。

 

 したがって日本人は、「自然エネルギーを利用しろ」と主張する前に、「送電‍線をすべての日本人に解放せよ!」という声をあげることが、即時の原発廃絶の‍ために、まず第一に起こすべき国民世論である。何しろ、送電線が解放されて、‍安価に送電できなければ、自家発電ばかりでなく、自然エネルギーの自由な活用‍もできないのだから。

 

 原発廃絶は、反原発運動の自己満足のために実現されるべきものではない。産‍業界も含めた、すべての日本人のために進められるべきである。

エネシフジャパン

遅まきながら数日前に知ったのだが、自然エネルギーへの移行を目指す市民と超党派議員による勉強会が立ち上がっている。→ エネシフジャパン


昨日の第三回勉強会には管総理も呼ばれてスピーチし、「再生可能エネルギー促進法」成立に向けて強い意欲を示した。



そして自然エネルギー財団を設立し、自然エネルギー協議会を立ち上げたソフトバンク社長、孫さんの講演があった。



孫さんの話は聞いているとわくわくする。プレゼンテーションも上手だし、電気を生む田んぼだから「電田(でんでん)プロジェクト」など、ネーミングのセンスもいい。

できるかできないか分からないけど、まずやってみよう。できないと思うからできない。百の議論より一の行動。

行動する実業家、応援します!

2011年6月13日月曜日

自然エネルギーに関する総理・有識者オープン懇談会

昨日「自然エネルギーに関する総理・有識者オープン懇談会」というのが行われた。有識者として、環境ジャーナリストの枝廣淳子さん、元サッカー日本代表監督の岡田武史さん、ミュージシャン/apbank代表の小林武史さん、ソフトバンク社長の孫正義さん、ビデオメッセージという形で我らが教授・坂本龍一氏が呼ばれ、インターネット中継、ツイッターでコメント募集というなかなか意欲的な試みだった。中継で5万人以上が視聴したらしい。私は今日、録画で観た。


録画はこちらで観ることができます。

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4972.html


枝廣淳子さんのことは存じ上げなかったが、整理されたプレゼンと的を射た質問やコメントが素晴らしかった。


岡田監督が環境問題に取り組んでいるということも存じ上げなかったが、福岡伸一氏の「生物と無生物のあいだ」という本を引用して、いいこと言ってた。


小林武史さんはウェブでよく拝見しているのだが、今回はちょっと発言が少なめで残念。


孫さんはさすが行動の人である。33自治体と自然エネルギー協議会を設立するというお話にわくわくした。


坂本教授は沈痛な面持ちで、福島の子どもたちを助けてくれと頭を下げた。そして私も最近知って感動した田中正造の「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず、人を殺さざるべし」ということばで締めくくった。


管総理も植物の話になったら止まらず、とても生き生きと楽しそうに語っていたのに、司会の人に遮られて残念。私はむしろその話をもっと聞きたかった。本当に好きなことを生き生きと語る人は他の人をインスパイヤするし、そうすると創造的な対話が生まれてくるから。最後に引用した立花隆氏の「宇宙からの帰還」のくだりも、私自身とても好きな部分だったので共感した。


福山副官房長官も、環境問題をやりたくて国会議員になった、と自然エネルギーへの熱い思いを語っていた。


素朴な疑問。

自然エネルギー。

国民もやりたい。

総理も副官房長官もやりたい。

じゃ、なんでできないの?