2008年9月30日火曜日

ジャムーという秘薬

インドネシアにはジャムーという健康ドリンクがある。漢方薬のような材料を調合して作る。決しておいしいものではない。

市場なんかに行くとジャムーのスタンドがあって、症状に合わせて調合してもらうこともできるし、効能別にある程度スタンダードなメニューもある。また粉末状の既製品も売っている。

この既製品がまたおもしろい。美人になるジャムーとか、胸が大きくなるジャムーとか、筋肉ムキムキになるジャムーとか、もうパッケージからして怪しさ満点である。

何より、「ジャムー」という名前の響きがいいではないか。この言葉を聞く度に、私の頭の中にはハクション大魔王とアクビちゃんが登場するのである。

(写真は、私の下宿先の賄いさんが作ってくれた自家製ジャムー)

2008年9月29日月曜日

月のない夜


8年前にこの街でお会いしたSさんからメールをいただいた。今日は暗月(tilem)ですね、というSさんの言葉に、外に出てみる。月のない夜。眺めていたら雨が降り出した。

2008年9月28日日曜日

遠出

レンタバイクを借りて、一日遠出した。

聖なる泉、ティルタ・エンプル寺院で沐浴する人たち

グヌン・カウィ 11世紀の壮大な石窟遺跡

イエ・プル 14世紀のレリーフ

テガララン 見事なライステラス

Jの話


「僕はbodoh(ばか)」とJは言う。もう15年も日本人のお客さんに接していて、日本語を覚えようとしているのに、ちっとも覚えられない、と。

Jは旅行者にバイクタクシーやチャーターツアーなど、トランスポートサービスを提供する仕事をしている。バリに来たことがある人なら誰でも知っている、街でトランスポート、トランスポート、タクシー、タクシー、とやっているあれである。普段は縁がないのだが、どうしてもデンパサールの入国管理局に出向かなければいけない用事が生じ、ドライバーが必要になったとき、以前泊まったゲストハウスに出入りしていたJが頭に浮かんだ。

なぜかと言えば、軒並み押しが強いトランスポートおじさんたちの中で、Jは伏し目がちで、とても押しが弱かったのである。その実直そうな態度が気に入った。

つてを頼ってJに連絡を取ると、「このばかのことを覚えていてくれてありがとう」と言う。

用事を済ませた帰り道、街のある一画に差し掛かったとき、「この辺りにはコミッション目当てで旅行者を強引にギャラリーに誘う人たちがいるから、気をつけないといけないよ。」とJは教えてくれた。「目先のことしか考えていない。将来のことを考えていない人たちなんだよ」と。

私は、Jはちっともばかじゃない、と思った。

2008年9月27日土曜日

ゴア・ガジャ

近郊に「ゴア・ガジャ」という11世紀頃のものだという石窟寺院の遺跡がある。観光コースには必ず入っている場所なのだが、行ったことがなかった。昨夜大雨が降り、今日も曇りがちであまり暑くない。これを機に自転車で足を延ばしてみることにした。

さて、割と程なく到着した「ゴア・ガジャ」は、さすが観光地。大型バスが何台も入れるような大きな駐車場があり、土産物屋が軒 を並べ、観光客も多い。入場料を払って中に入ると、写真で何度も見た石窟寺院があった。魔女ランダの恐ろしい形相が正面に掘られ、その口が入口になっていて、皆そこで記念写真を撮っている。

が、私は当の石窟寺院よりもその裏の渓谷が良かった。豊かな水が滝となり川となって合流している。一面のバリらしい緑。血管のようにたくましく根を張った木。蓮の池。あまりに気持ちがいいので、しばらくそこに佇んでいた。




2008年9月26日金曜日

8年前のトラウマ


私の家は街の中心部から山側へ、田んぼの中の一本道を入っていったところにある。つまり、自転車で行動している私は、街に出るときはずっと下りで楽チンなのだが、逆に帰りはずっと上りで汗だくになる。いつもはようやく家に帰り着いた時点で終点なのだが、その一本道はどこにつながっているのだろうとふと気になった。地図を見てみると、交わることのないと思っていた、渓谷をはさんで平行している道と、奥で合流していることが分かった。

そうと分かったら俄然行ってみたくなる性格である。

ちょうど仕事も入っていなかったので、バッグにカメラと水を詰めて探検に出た。

それは美しい棚田が見渡せる、かなり気持ちの良いサイクリングコースで、私はいい気分で自転車をこいでいた。ふと景色の良い場所に出たので、写真を撮るために立ち止まった。すると道の反対側に寺院があり、そこでおばあさんが笑顔で手招きしている。ふとそちらへ行きかけて、私の心にアラームが鳴った。どこかで知ってる、この感じ。そして、8年前のあの恐ろしい記憶が蘇った。

8年前、私は初めてこの街を訪れた。今ほど車も多くなかったので、毎日あちこち散歩を楽しんでいた。ある日私は街中を外れ、田んぼの中の一本道を歩いていった。するとおばあさんがニコニコ手招きをする。笑顔で挨拶を返す私。私の頭の中では、田舎のおばあさんと心温まる交流をする私、という図式が出来上がっている。おばあさんが「ココナツのジュース、飲んでいきなさい」と言うので、言われるままにおばあさんの後を着いていくと、田んぼのあぜ道を通り、小さな掘立小屋へ連れて行かれた。小屋の中にはおじいさんがいて、無言でナタのようなものを研いでいる。おばあさんがココナツの実を割って、ほら飲みなさいと勧めてくれたので、本当はそんなに飲みたくなかったのだが、お愛想で飲んだ。

すると、豹変したのである、おばあさんが。鬼婆の形相になり、法外な金額を要求してきた。隣では相変わらず無言でナタを研ぐおじいさん…。まるで日本昔話である。

私は60,000ルピア(約600円)ほどをこれしか持っていないと主張して差し出し、這々の体で逃げ出した。

そんなことも、やはり観光地なので、ある。

今日のおばあさんは本当にただのいいおばあさんで、ただ寺院がきれいだから見ていけと言いたかっただけなのかも知れない。それでもまた鬼婆に変身されてからでは遅い。そんなわけで、地元の人との交流のチャンスを逃すのは残念だけれども、やはり警戒を緩めることができない。

雨の庭


夜半から朝にかけて雨が降った。雨の庭も美しい。

2008年9月25日木曜日

窓からの景色

翻訳を仕事にしている私は、窓からの景色を求めてノマド生活をしているようなところがある。

今まででいちばんの窓からの景色は、ニュージーランド、オークランド沖のワイヘケ島で暮らした家からの景色。私の英語の先生が長期で留守にするために預かったその家は、海を見下ろす高台にあって、窓の外は一面遮るもののない海だった。その部屋でコーヒーを飲みながら好きな本を読む(ちょうど友人が、私が敬愛してやまないブラジルの音楽家アントニオ・カルロス・ジョビンの伝記を送ってくれていた)時間は至福のひとときであり、その家に住んでいた期間、私はほとんど外出しなかった。

2番目に好きだったのは、6年3ヶ月暮らした、たまプラーザの部屋からの景色。やはり高台にあるその部屋からは、日中は見事な富士山、夜は昔のNHK-FMの名番組「クロスオーバーイレブン」のオープニングの曲と津嘉山正種さんのナレーションが聞こえてきそうな夜景が見えた。

今の部屋からの景色。これがまた素晴らしい。部屋の前はテラスと庭を隔ててすぐもう渓谷なので、私の視界のほとんどは鬱蒼と茂る熱帯植物である。庭の一角にある神棚には、朝夕、家の方がお供え物を上げ、お参りする姿が見える。そして夜になると、何と遠くからガムランの音が聞こえてくるのである。

2008年9月24日水曜日

クラスメート


友だち作りを兼ねて、ウブドでもインドネシア語教室に通っている。バリ美人の先生と、気さくで親切なオーストラリア人のクラスメートたち。

2008年9月23日火曜日

マンゴ食堂

私は気に入るとそればかり食べ続ける傾向があって、マンゴの木があるこの食堂にほぼ毎日通っている。安くておいしいのだ。メニュー全制覇する日も近い。

2008年9月18日木曜日

勘違いのあいさつ

行きつけの店におやつを買いに行った。その向かいに1度行ったことのあるマッサージ屋があって、顔見知りの女の子たちが「こんにちは」とあいさつしてきたので、「こんにちは、元気?」とあいさつを返したら、全然違う方から「元気だよ。きみは?」と返事が返ってきた。声の主を見やると見知らぬ青年。どうやら自分に声をかけられたものと勘違いしたらしい。「あなたに声をかけたんじゃないの。」と言うわけにもいかないので、素知らぬふりをして、「私も元気よ。あなたはどこから来たの?」と言葉を返してみた。「ヨーロッパから」と彼は答え、倒れそうになっていた私の自転車を支えてくれた。ただそれだけの話。

2008年9月15日月曜日

月光浴

満月の夜、月明かりの庭で月光浴する

2008年9月14日日曜日

月夜の散歩

田んぼが見渡せる友人の部屋のベランダで、ピクニックしながら、田んぼに落ちていく夕日を眺めた。夜の帳がとっぷり下りてから、月夜の散歩に出かける。メインストリートから脇道へ逸れると、街中の喧噪が嘘のような静かで人気のない道が続く。ジャングル気分を味わいながら急な勾配を上ると、田んぼが広がる一帯に出た。知らない道を歩くのは楽しい。迷って新しい発見をするのもまた楽しい。

2008年9月13日土曜日

村の祭礼





友人Rがホームステイしていた村でバロン(日本の獅子舞に似た聖獣で善を象徴する)の祭礼が行われるというので、急遽便乗させてもらうことにした。

その小さな村は、見るからに神様が宿っていそうな御神木や、大蛇が住むという洞穴がある、まるでおとぎ話のような村だった。

会場のお寺には、村中の人たちが正装で詰めかけている。夜の9時頃から夜半まで、バロンの舞は粛々と続く。

後半、悪を象徴するランダが出てきた頃、観衆の中から絶叫が上がった。振り返ると一人の男性がトランス状態に入り、叫び声を上げながら痙攣している。その体を4〜5人の男性が押さえている。

その後、このトランス状態は3〜4人の男性に伝播し、あちこちで同じ光景が繰り広げられ、そのうち一人の男性はお寺の階段をだーっと駆け上がって行った。

観光向けではない、本当の聖なる儀礼の姿を、初めて目の当たりにした夜だった。

シルエット

写真家Rとローライフレックスのシルエット

パダン料理

Rosaお勧めのパダン料理屋に行った。お総菜を好きなだけ取って、取っただけの料金を払う。あれもこれもおいしそうに見えて、つい取り過ぎてしまう!

2008年9月10日水曜日

ウブド発祥の地



ここ数年、日本の聖地をいろいろ歩いてきたら、どうやら聖地というものに鼻が利くようになってきた。ここウブドも、チャンプアン辺りがどうも気になると思っていたら、果たしてチャンプアンの2つの川の合流地点がそうであるらしい。聖地のほとんどがそうであるように、その地点にはPura Gunung Lebahというお寺が建っている。昔、病を患った人々がこの川で水浴すると治ったという。そして「精霊的な薬」という意味を持つ「ウサダ」というバリ語が、長い年月を経て「ウブド」に変化した、ということだ。

2008年9月5日金曜日

サイクリング





夕暮れ時に愛車で近所を走り回った。日が落ちていく、この時間帯の光の色がいちばん好き。

2008年9月4日木曜日

夜の訪問者

江戸川乱歩風のタイトルをつけてみたが、正体はネズミ。私のバスルームは外にあるのだが、引っ越して最初の夜が明けてみると、せっけんに歯型がついていた。それ以来、夜はせっけんを部屋の中にしまうようにしているのだが、たまに忘れて置きっ放しにすると、翌朝にはまた必ず歯型がついている。おいしいのかな?

2008年9月2日火曜日

自転車

自転車をゲットする。まだ新品で、ライトも6段ギアもついていて、おまけにとっても可愛い。これに乗っていると街中でいろんな人に「いい自転車だね」と声をかけられる。私もそう思う!

2008年9月1日月曜日

こんにちは、私の部屋




私の新しい部屋。部屋の前は熱帯植物の庭で、朝にはリスがやってくる。とても気に入っている。