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2011年6月20日月曜日

100km圏放射能汚染地図

文科省と米国エネルギー省による第2次航空機モニタリングの測定結果がこちらで公表されている。

1. 福島第一原発から100km圏内の線量測定マップ

2. セシウム134と137の地表面への蓄積量の合計

3. セシウム134の地表面への蓄積量

4. セシウム137の地表面への蓄積量

という4つの図から構成されている。


私が幼少期を過ごした福島県三春町に注目してみると、

地表面から1mの高さの空間線量率(5月26日現在)は(画像をクリックすると拡大します)

約6割(南部)が0.2〜0.5マイクロシーベルト/時

約4割(北部)が0.5〜1.0マイクロシーベルト/時

0.6マイクロシーベルト/時以上は放射線管理区域に指定すべき場所だから、北部は放射線管理区域並の汚染を受けているということになる。

放射線管理区域というのは、そこで食べたり飲んだり寝たりしてはいけないし、子どもを連れこんでもいけない場所だ。


セシウム137の蓄積量(5月26日現在)は(画像をクリックすると拡大します)


約8割(南部)が10万ベクレル/立方メートル未満

約2割(北部)が10万〜30万ベクレル/立方メートル

これをチェルノブイリと比較してみると、

南部は第三区分(放射線管理エリア)

北部は第三区分(放射線管理エリア)〜第二区分(補償付き任意移住エリア)

に相当する。

チェルノブイリでは第三区分エリアは住み続けても安全だと言われていたにもかかわらず、事故から10〜20年の間にガンや白血病や遺伝的病気が増加したそうだ。


参考:ブログ「中鬼と大鬼のふたりごと」2011/05/13(金)02:43

広域放射能汚染地図


上の図(クリックすると拡大します)は微粒子の大気拡散に詳しい群馬大学の早川由紀夫教授(火山学)が、民間による測定や国の公表データを元に作成した300 km圏の汚染地図(4月21日作成/6月18日改訂)。

茨城、栃木、千葉、群馬にも0.5マイクロシーベルト/時以上、0.25マイクロシーベルト/時以上のところが点在しているのが分かる。

出典:ホットスポットなぜ出現…気象と地形の複合要因(読売新聞 2011/6/18/16:03)



気になるのは上の図(クリックすると拡大します)。

これは国が公表しなかったSPEEDIの予測(4月4日のNHKニュースで一瞬流れたそうだ)に「天狗」さんという方が地図を重ねたもの。放射性ヨウ素131による1歳未満乳児の臓器被曝程度の予測で、3月16日0時時点での積算値予測と推測される。

凡例:

赤:10〜100ミリシーベルト

オレンジ:1〜10ミリシーベルト

黄色:0.1〜1ミリシーベルト

緑:0.01〜0.1ミリシーベルト

オレンジの1〜10ミリシーベルト地帯が、福島県二本松の方から、茨城県沿岸部を通り、埼玉県を通り、群馬県前橋の方まで弧を描いている。

出典:ピースフィロソフィー2011年5月16日


文科省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)等による計算結果の福島第一原子力発電所(特定条件 WSPEEDI)[平成23年3月25日(金曜日)](PDF:594KB)には3月25日0時時点の「ヨウ素131の地表面の大気中濃度」、「幼児(1歳未満)ヨウ素131による甲状腺等価線量」、「ヨウ素131の表面沈着量積算値」の予測が掲載されているが、ヨウ素が日本列島のかなり広い範囲にわたって沈着したことが分かる。ヨウ素は半減期が8日と短いが、子どもが甲状腺に溜め込んでしまっていないか心配である。

このデータについて詳しく考察しているブログがありますので、参考にしてください。

ブログ「中鬼と大鬼のふたりごと」2011/05/13(金)02:43


小佐古元内閣官房参与の4月29日の辞意表明に次のような文言がある(太字筆者)。

「初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30 km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10 kmから数1000 kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである」

これは小佐古元内閣官房参与がSPEEDIやWSPEEDIのデータを見て、上記の地域が汚染されているであろうことを知っていたから出た言葉だと推測されるのである。

出典:NHK「かぶん」ブログ 2011年4月29日(金)官房参与が辞任・記者会見資料を全文掲載します


各地方自治体は細かいマス目で放射線量を測定し、詳細な汚染地図を作成して対策を取ることが急務であると思う。

SPEEDIの怪

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)は、20年も前から今回のような万一の事故に備えて巨額の税金を投じて開発されてきたものだが、やっと公表されたのは事故発生から1ヶ月以上経った4月25日。遡って3月11日分から公開されたが、そんなもの過去の天気予報と同じでまったく意味がない。

文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI) 単位量放出を仮定した予測計算結果(これまでに行った1時間毎の予測)


また広域予測システム世界SPEEDIあるいはWSPEEDI(第二世代SPEEDI)がやっと公開されたのは、事故から2ヶ月近くも経った5月10日。それも非常に限られた情報しか公開されていない。

文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)等による計算結果


公開されたと言っても、前日の予測が次の日に出るという意味のなさ。しかもPDFファイルで見づらく、海外の各気象庁が出してくれていたアニメーションで視覚的に分かる洗練されたものとは程遠い。


ドイツ気象庁(DWD)による粒子分布シミュレーションの日本語訳


日本人は自分たちの税金を投じて作られたシミュレーションシステムに頼ることができず、海外の気象庁が出してくれるシミュレーションに頼らなければいけないという悲しい状況が続いている。

しかしこれも時間の問題だ。台湾もノルウェーもシミュレーションをやめてしまったようだし、ドイツは以前は細かい予報文を出してくれていたが、5月31日で終了。シミュレーション自体は今も続けてくれているが、これもいつまで続けてくれるか分からない。


ドイツ気象庁のシミュレーションを訳してくれていた山本堪さんは、「そもそもドイツの気象機関が何故日本の為の予測を続けているのでしょう?日本政府を含め私達は事故当事国として近隣国に対しての情報開示責任を自問するべきではないでしょうか?」と、日本政府に対しSPEEDI予測結果の即時発表を要請することを呼びかけている。


SPEEDIによる予測結果の即時発表の要請をしませんか?


この呼びかけ文、ほんとうにその通りだと思うので、是非ご一読ください。

事故の収束は長期化が予測される。爆発的事象が今後また起きる可能性も残されているし、先日も真夜中に白煙が上がり、茨城で空間線量が上がったりしている。昨夜のように建屋の扉を開放することもある。こういうときに役立てないなら、なんのために20年の歳月と巨額の税金を投じてSPEEDIを開発してきたのだろう。天気予報のように分かりやすく、きめ細かく、時々刻々と予報を出し、注意を呼びかけるべきではないか。


ということで、文科省と首相官邸へ要請しませんか、みなさん?

2011年6月8日水曜日

東京の下水処理施設で高い放射線量


2011.6.8
 母たちの放射線測定 by PMG5


東京・大田区の下水処理施設「南部スラッジプラント」の施設内で汚泥の焼却灰の放射線量を測定したところ、毎時2.7マイクロシーベルトという高い数値が出た。通常の環境の放射線量は毎時0.05マイクロシーベルトくらいだから、約50倍だ。

下水処理施設では下水を水と汚泥に分け、汚泥を乾燥させて焼却させるため、下水に含まれていた放射性物質が濃縮されるそうだ。


また江東区の東部スラッジプラントでは、付近のグラウンドで1平方メートル当たりなんと23万ベクレルものセシウムが検出された。これは江東区の父母で作るNO!放射能 江東こども守る会が放射線測定の専門家に依頼して独自に調査して分かったという。

参考:「NO!放射能 江東こども守る会」記者会見の模様


文科省が都道府県別モニタリングデータというのを出しているが、放射能汚染の実態というのは非常にまばらで、同じグラウンドでも場所によって全然数値が違ったりするので、各都道府県1カ所測定したくらいではまったく足りない。

それに、文科省のモニタリングポストの位置は決まりがないらしく、例えば東京都(新宿)は地上18m、私の家族が住んでいる群馬県(前橋)は地上20mで測定しているという。

3月の福島第一原発の水素爆発で空中に飛散した放射性物質はもう地面に下りてきているので、当然地面に近い方が数値が高い。人間が生活する高さで測らなければ意味がない。

非常にきめ細かい測定と汚染地図の作成、それに応じた対策が急務である。みなさん、行政を動かしましょう!


さきほどの下水処理施設で出る汚泥はセメントや肥料に混ぜてリサイクルされているそうだ。

国は5月に汚泥の汚染基準を1kgあたり100ベクレルと定めたが、それ以前のものはすでに市場に出てしまっているし、1kgあたり100ベクレルだから安全ということではない。

セメントや肥料に混ぜられた放射性物質は、放射線を出し続ける。

下水処理施設で働く方々の被曝も心配だ。


放射能汚染は今後も広範囲にわたりいろんな形で牙をむくだろう。

日本はとんでもない時代に突入している。


参考:たね蒔きジャーナル6/18

2011年6月6日月曜日

続報・ネットワークでつくる放射能汚染地図


2011.6.5
 続報・ネットワークでつくる放射能汚染地図 by PMG5


昨日NHKで放映された「続報・ネットワークでつくる放射能汚染地図」。5月15日に放映された「ネットワークでつくる放射能汚染地図」の続報である。(関連投稿:ネットワークでつくる放射能汚染地図)


市全体としては比較的低線量のいわき市の山間部にホットスポットが見つかった。そして福島第一原発の敷地外のある一点からプルトニウムが検出された。プルトニウムは放射性核種の中でも最強の猛毒物質。少しでも吸い込めば肺ガンを引き起こす。半減期は何と24,000年。


チェルノブイリ原発事故の汚染地図を見ても、非常にまばらに高濃度汚染地域が点在している。250〜300km離れたところにもホットスポットがある。これは風で放射性物質が流されたところに雨が降ったためだ。距離の離れたホットスポットが分かったのは、綿密な放射線量測定をしたからではなく、子どもたちに異常が出て初めて分かったのだという。


福島第一原発の場合も風で放射性物質が流されたところに雪が降ったため、北西45kmの飯舘村がホットスポットになった。


チェルノブイリの教訓を生かし、子どもたちに異常が出る前に、広範囲で綿密な調査が進むことを切に願う。

2011年5月31日火曜日

関東でも被ばく症状

土日とシンガポールに行っていたので更新が遅くなりました。毎日勉強したいこともこの場で皆さんにシェアしたいことも山のようにあるのですが、なかなか時間が追いつきません。


さて、ずっと気になっていたのだが、ついに来たかと思う記事を見つけてしまった。

先日「NPO法人チェルノブイリへのかけはし」という、19年にわたってチェルノブイリの子どもたちを日本で保養させる “保養里親運動”や、現地への様々な救援活動を行なってきた民間ボランティア団体のウェブサイトを見ていたら、コメント欄に福島、茨城、千葉、東京、九州に至るまで日本各地のお母さん方から、ご自身やお子さんの体の不調が報告されていた。症状を書き出してみると、


鼻血、鼻づまり、鼻水、のどがチリチリ(ヒリヒリ)する(かゆいような感じ)、のどがゴロゴロして血痰が出る、痰が出る、のどの奥で血の味がする、皮膚がピリピリ(ヒリヒリ)する、雪焼けのような日焼け、頭痛、目の奥の痛み、舌の腫れ、リンパの痛み、目の下のクマ、下痢、血豆、高熱、咳、喘息の再発、疲れやすい、頭や顔に吹き出物、お腹にブツブツができてかゆい…


「チェルノブイリへのかけはし」代表の野呂美加さんによると、これらは典型的な被ばくの症状であるという。ちょっとずつ気がつかないうちに抵抗力が落ちてきて、アレルギーや喘息になりやすくなるのだそうだ。風邪の症状によく似ているため、医者に行っても風邪で済まされたり、「黄砂の影響でしょう」と言われてしまう。相当重症にならない限り、血液検査をしてもさほど異常がでないのも、内部被ばくの特徴だそうだ。野呂さんは絶対に泣き寝入りしないで、症状を細かく書き留めておくように、と呼びかけている。

関東圏の場合だと、わかっているホットスポット以外は、食品の汚染がいちばんの問題であろうと野呂さんは言う。


野呂さんからのアドバイス:

  • 風が強いときはマスクをするなどの対策をする。
  • 子どもたちにはおやつ時(おなかがすいて何もはいっていないとき)は、果物を食べさせて、酵素とミネラル・ビタミンの補給をさせる。
  • 果物は食べる前に冷蔵庫から出しておいて室温にしておくこと。
  • 揚げたお菓子などは酸化しているので、ダメージを大きくするので食べさせないこと。
  • 下痢がひどいときは、リンゴのすりおろしや、りんごのペクチンだけにして様子をみる。
  • クマができるようなときは、体を休めること。
  • 無理して葉物野菜を食べなくてもいい。
  • ごちそうをつくろうとすると放射能がはいる。ご飯・味噌汁・漬物で粗食でいい。


野呂美加さんは今各地で「お話会」という講演活動や医療相談会(こちらは残念ながら定員オーバーとのこと)をされているので、気になる症状が出ている方や、お子さんを抱えて不安にさいなまれている方は、是非足を運ばれるといいと思う。周囲の人たちと不安が共有できずにひとりで苦しんでいるお母さんが多い様子に胸が痛む。こういう場所に足を運ぶことで、同じような不安を抱えている他の人たちとつながることができるのではないかと思う。今後のお話会のスケジュールはこちらです。


足を運ぶことができない方は、YouTubeなどにも講演会の様子がアップされているので、是非ご覧ください。

例えば、2011年5月22日(日)に東京の小金井市商工会館で行われたお話会(主催:子どもと未来を守る小金井会議)の模様はこちらで見ることができます。


1-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

2-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

3-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

4-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

5-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

6-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

7-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

8-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

9-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

10-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

11-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

12-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん

13-13【子供と健康力】放射能から子供達をまもろう! 講演 野呂美加さん


20年近くチェルノブイリの子どもたちを引き受けてきたお母さんならではの視点が感じられる、とてもためになるお話しだった。本当はノートを取って公開したいのですが、残念ながらその時間がありません。是非皆さん、メモを取りながらご覧ください。

2011年5月27日金曜日

原発、放射能汚染の状況

今夜放映された京都のNPO環境市民と京都三条ラジオカフェによる福島原発大事故特番。



福島第一原発の状況を京都大学原子炉実験所助教・小出裕章先生に、

放射能汚染の状況を京都精華大学教授・細川弘明先生に聞く。


大阪毎日ラジオ放送のたね蒔きジャーナルもそうだが、この環境市民&京都三条ラジオカフェもよくこういう好企画をやってくれる。関西にはリベラルなメディアが多くて助かる。


現在の原発の状況は小出先生も東電の発表するデータに基づいて推測するしかなく、そのデータの信頼性がまったく当てにならないので、これまでも何度も発表が覆されてきて、小出先生もその度踊らされ、大変お気の毒である。東電発表データが正しければという前提にはなるが、小出先生の推測する福島原発の状況を聞いておくことをお勧めしたい。


放射能汚染の状況に関する細川先生のお話は、福島の場合はじわじわと長期にわたって汚染が進行するという人類未到の原発事故であり、食品の汚染はもう避けられないという現実を受け入れて、それとどう向き合っていくかを一人一人が決めていかなければいけない時代に入っているという、気は重くなるが、聞いておかなければいけない話だった。

2011年5月17日火曜日

ネットワークでつくる放射能汚染地図

2011年5月15日(日)にNHK ETV特集で放映された番組

「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~」


1954年のビキニ事件以来、放射線観測の第一線に立ち続けてきた元理化学研究所の岡野眞治博士の全面的な協力のもと、元放射線医学研究所の研究官・木村真三博士、京都大学、広島大学、長崎大学の放射線観測、放射線医学を専門とする科学者たちのネットワークが連係し、震災の3日後から放射能の測定を始め汚染地図を作成する2ヶ月を追ったドキュメンタリー。


テレビに映る福島県内の様子はどこにでもある日本の一地方の風景だ。

しかし見えない放射能が降り注ぎ、専業農家も、養鶏場も、大正時代から競走馬を育ててきた牧場も、生活を根こそぎ奪われた。立入禁止になる前日に自宅の犬と猫に最後のエサをやりにいったご夫婦。車の後を追いかけてくる犬。


まるで悪夢のようなこんなことが、今現実に起きている。

人々の生活をめちゃくちゃにし、故郷を奪う原発というものを、私は絶対に許すことができない。