2011年6月20日月曜日

SPEEDIの怪

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)は、20年も前から今回のような万一の事故に備えて巨額の税金を投じて開発されてきたものだが、やっと公表されたのは事故発生から1ヶ月以上経った425日。遡って311日分から公開されたが、そんなもの過去の天気予報と同じでまったく意味がない。

文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI) 単位量放出を仮定した予測計算結果(これまでに行った1時間毎の予測)


また広域予測システム世界SPEEDIあるいはWSPEEDI(第二世代SPEEDI)がやっと公開されたのは、事故から2ヶ月近くも経った510日。それも非常に限られた情報しか公開されていない。

文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)等による計算結果


公開されたと言っても、前日の予測が次の日に出るという意味のなさ。しかもPDFファイルで見づらく、海外の各気象庁が出してくれていたアニメーションで視覚的に分かる洗練されたものとは程遠い。


ドイツ気象庁(DWD)による粒子分布シミュレーションの日本語訳


日本人は自分たちの税金を投じて作られたシミュレーションシステムに頼ることができず、海外の気象庁が出してくれるシミュレーションに頼らなければいけないという悲しい状況が続いている。

しかしこれも時間の問題だ。台湾もノルウェーもシミュレーションをやめてしまったようだし、ドイツは以前は細かい予報文を出してくれていたが、531日で終了。シミュレーション自体は今も続けてくれているが、これもいつまで続けてくれるか分からない。


ドイツ気象庁のシミュレーションを訳してくれていた山本堪さんは、「そもそもドイツの気象機関が何故日本の為の予測を続けているのでしょう?日本政府を含め私達は事故当事国として近隣国に対しての情報開示責任を自問するべきではないでしょうか?」と、日本政府に対しSPEEDI予測結果の即時発表を要請することを呼びかけている。


SPEEDIによる予測結果の即時発表の要請をしませんか?


この呼びかけ文、ほんとうにその通りだと思うので、是非ご一読ください。

事故の収束は長期化が予測される。爆発的事象が今後また起きる可能性も残されているし、先日も真夜中に白煙が上がり、茨城で空間線量が上がったりしている。昨夜のように建屋の扉を開放することもある。こういうときに役立てないなら、なんのために20年の歳月と巨額の税金を投じてSPEEDIを開発してきたのだろう。天気予報のように分かりやすく、きめ細かく、時々刻々と予報を出し、注意を呼びかけるべきではないか。


ということで、文科省と首相官邸へ要請しませんか、みなさん?