

(画像はチェルノブイリへのかけはしのサイトより。*画像をクリックすると拡大します)
噂の福島県放射線健康リスク管理アドバイザー山下俊一・長崎大学教授の5月3日の二本松での講演を見た。
この時点ではすでに「年間100ミリシーベルトまでは大丈夫」発言に批判が集まっていたと見えて、言質を取られないように気をつけて話している様子がうかがえた。
発言の中で気になったことが3点。
- 仮に「年間100ミリシーベルトまでは大丈夫」というのが本当に彼の医学者としての信念だったとしても、世界の医学界のコンセンサスが「どんなに低線量でもそれに応じた発ガンリスクがあり、閾値はない」というものである以上、それを住民に知らせるべきである。
- 「年間20ミリシーベルトという基準は国が決めたものである。国が決めたことは守るのが国民の義務である」という主張は到底受け入れられない。(三保恵一・二本松市長が指摘しておられたとおり)
- 住民はここに住み続けるしかない、という前提で話をするのはおかしい。医学者として、危険なのであれば避難・移住を国に提言すべきである。
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この人は本人曰く長崎の被曝二世であり、チェルノブイリにも笹川プロジェクトなどで派遣され、20年近く医療救援活動にあたったそうだ。しかし話を聞いていると、チェルノブイリの被害については過小評価と批判されている2005年に発表されたIAEAの公式見解の側に立っているようだ。
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被爆地広島、長崎の学者だということで、被爆者の側に立ってくれると思ったら大間違いということはよくあるようだ。
チェルノブイリ原発事故から5年後、IAEAの事故調査団が現地に入って健康被害を調査し、空疎な安全宣言を出したのだが、このときの委員長が重松逸造という広島の学者だった。被爆地広島の学者だということでみんな期待していたのに、ろくな調査もしないで安全宣言を出したということで、現地の医者たちはみな激怒したそうである。
個人的な感想として、この人は物腰はやわらかいのだが、目が冷たい。話し方もやわらかいのだが、子どもを諭すように語尾をいちいち上げて話すところが、まるで催眠術にでもかけているみたいである。
長崎の被曝2世ということなので、子どもの頃、余りにもトラウマティックな体験をしたことで、心が壊れてしまったのだろうか。
それとも、被曝の人体に与える影響を研究したいがために、わざと福島の人たちを避難させたくないのだろうか。
広島原爆投下後、アメリカは原爆傷害調査委員会(ABCC)というのを作って、被爆者の追跡調査を行ったのだが、治療は一切しなかった。ただ放射線が人体に与える影響だけを研究し続けたのである。
「その放射能の障害によってどんなことが起きるかというと、原爆の場合は全然経験が無いんですから困りました。アメリカが比治山の上にABCCという研究機関を設けて研究するんです。サンプリング的なやり方で、だれだれさん来なさいといってズーッと一人の人を研究していくんです。交通費をくれて、何かいいものもくれて、向こうは研究をしているんです。決して治療はしないです。どういうふうにしたら治るというようなことはいっさい言わない。」
ABCCはその後、放射線影響研究所という日米両国政府が共同で管理運営する公益法人になっている。