2010年10月29日金曜日

ジョグジャカルタ再訪 その3:ベチャに乗る


自転車タクシーのことを「ベチャ」という。モータリゼーションに駆逐され、インドネシア各地から今では姿を消しつつあるというが、なぜかここジョグジャでは健在なのである。健在どころか、非常に盛んなのである。これはかなり不思議な現象である。モータリゼーションの波はもちろんジョグジャにだって押し寄せている。大体東南アジアは私の知っている限りどこも二輪王国であり、公共交通機関が未発達で、モーターバイクが庶民の足としての地位を確保している。特にインドネシアはここのところの好景気で、四輪の数もものすごく増えている。なのになぜ?


理由はさておき、今回初めてこのベチャに乗った。以前滞在していたときは、値段交渉が苦手だったし、外国人はぼられるので、もっぱら値段が決まっている「トランスジョグジャ」というバスばかり利用していた。けれど「ベチャ」には何とも言えない風情があって、今回は乗ってみようと思ったのである。



乗ってみて、大ファンになってしまった。なんといってもベチャはエコである。ガソリンがいらない。健康的である。ベチャのおじさんたちは、皆それはすばらしく締まった脚をしている。景色がゆっくりと流れていく。起業するのに元手がそれほどかからない。素晴らしい!



客待ちしているおじさんたちは胡散臭く見えるが、値段交渉がまとまって乗ってしまえば、みんな気のいいおじさんたちだ。そんなおじさんたちとの触れ合いも魅力のひとつだ。2年前同じインドネシア語学校に通っていたMちゃんは、ベチャのおじさんとすっかり仲良くなり、家族ぐるみのおつきあいにまで発展した。


のんびり客待ちするベチャのおじさんたち


欠点を挙げるなら、大体ベチャは客をどこかの店に連れて行って、その客が買い物をするとマージンが入る仕組みになっていくらしく、さりげなく勧めてきたり、連れて行かれたりする。押しの強さは人それぞれだと思うが、私が出会った二人の運転手は断ればそれ以上しつこく勧めては来なかった。


どうかこの「ベチャ」が今後も廃れずに存続していってほしいものである。