
群馬県の実家に帰省する。東京の寒さは意外と大したことないと思ったが、群馬は本当に寒い。「赤城下ろし」と言って、雪をかぶった山から冷たい風が吹き下ろすので、骨身に染みる。空気がとても乾燥していて、肌の水分がどんどん奪われていく。じわじわと冬を迎えたのでなく、熱帯から一夜にして真冬の世界に降り立った私はショック状態である。
けれども寒さもたまにはいいものだ。背筋がしゃんと伸びるような気がする。ニュージーランドに住んでいた頃、ネイピアという街で、とてもチャーミングな目上の女性と冬の散歩を楽しんだことがある。「私はこの冬の空気がとても好きなの。気持ちがしゃんと引き締まるでしょう」と言った彼女の言葉がようやく分かる年になった。