オイル漬けチーズ(チェコ代表Dくん)と納豆(日本代表Mさん)の仁義なき戦い
そもそもどうしてそういう話になったのか思い出せないのだが、あるときチェコ人同業者(旅する翻訳者)Dくんと話をしているうちに、自分の国にはどれだけ外国人には理解できない珍妙な食べ物があるかという変なお国自慢になった。日本の珍味代表として私は納豆を挙げ、この腐った豆がいかに臭く、そのねばねばした食感がいかに気持ち悪く、しかしそれが日本人にとっていかに美味いものであるかを力説した。これを受けてDくんは、チェコにはオイル漬けにしたチーズというものがあり、その食感はスライムのようにどろりとしていて、それがいかにビールに欠かせないものであるかを力説した。これは是非東西珍味対決をして、互いの国の珍味が食べられなかった方を負けとしようではないかということになった。
ウブドにはありがたいことに日本人で納豆を作っている方がいて、簡単に手に入れることができる。しかしチェコのチーズはどうするかというところで話がストップしていたのだが、折良くチェコからやってくるDくんの友だちに持ってきてもらうことができた。
チェコからやってきたそのチーズはチェコ製カマンベールといったところ。それをオイルにいろいろなスパイス(にんにく、玉ねぎ、月桂樹の葉、黒胡椒、唐辛子など)を入れたものの中に漬け込むこと1週間。決戦はクリスマスイブと決まった。
決戦の心強い味方は、日本人のヨガの先生でお料理上手のMさんとそのボーイフレンドで納豆と梅干しをこよなく愛する不思議なカナダ人JMくん。場所を提供していただくばかりか、Mさんが納豆パスタとサラダを作ってくれることになった。言い出しっぺのくせにまったく労力を提供していない私は、ちょっと奮発して白ワインを買っていくことにした。
決戦のゴングが鳴った。持参の容器からドロドロとチーズを器に分けるDくん。あれ?すごくおいしそうじゃん!と3人の視線が集まる。試食開始。おいしい!!!黒パンとワインによく合う。3人ともすっかり気に入ってしまい、完食。
次に納豆パスタ。3人の視線を受けながら試食するDくん。「うーん、奇妙な味だけど、きっと慣れると思う。でも唇がねばねばして、しゃべりづらい」と言いながら、こちらも完食。おぬし、なかなかやるな。
というわけで、勝負は引き分け。
最後に何とJMくんお手製生チョコレートケーキが登場。カカオの豆をローストして、つぶして、そこにココナツオイルとパームシュガーと、あと何だったっけな?を入れて作るのだそうだ。チョコレートが自分で作れるなんて!!これが感動的においしくて、私のテンションは一気に上がった。お代わりまでして、お腹いっぱいのクリスマスディナーとなった。