2011年4月21日木曜日

ババを引くのは原発作業員

4/20(水)の大阪毎日ラジオ放送(MBS 1179)たね蒔きジャーナルで、「建設業に従事している夫や友人に、日給3万円で原発へ行ってくれないかという話が来た。夫も友人もまったくの専門外なのだが」というリスナーからの投稿が紹介されていた。


そういう噂は聞いていた。ハローワークに募集が出ているという話も聞いた。危険な現場にかり出され、専門知識も持たないまま、ずさんな放射線量管理、劣悪な労働環境の下で作業させられるのは、東電や政府のえらい人でもなければ、被曝線量を250ミリシーベルトに引き上げた厚生労働省の役人でもなければ、マスコミで事態の安全性を喧伝しているえらい学者たちでもない。ふつうの人たちだ。

福島第1原発:「ガスマスクずれ吸った」作業の東電社員(毎日新聞 2011/4/2/2:33)

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110402k0000m040147000c.html


原発作業員の被曝線量は通常1年間で50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトと規定されており、100ミリシーベルトを超えたら5年間は放射線業務に就けない、という規定があるそうだ。ただし緊急時には別途100ミリシーベルトを上限に放射線を受けることができるという条文があり、今回国は福島第一原発の復旧作業に限って、被曝線量上限を250ミリシーベルトに引き上げる特例措置を取った。


しかしこのむちゃくちゃに高い被曝線量さえ、実際にはきちんと管理されていないらしい。

被曝線量が記入されるべき「放射線管理手帳」は作業員の手元にはなく会社側が預かっているケースが多いのだそうだ。


以下新聞記事より引用します。


復旧作業にあたる2次下請け会社の男性作業員(30)は3月下旬、現場で元請け会社の社員から「今回浴びた線量は手帳に載らない」と説明された。「250ミリシーベルト浴びて、新潟県の東電柏崎刈羽原発で働くことになっても250ミリシーベルトは免除される」と言われたという。

福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず(毎日新聞2011/4/21/2:36 最終更新4/21/7:28)

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110421k0000m040166000c.html

将来の仕事を受注するため(社員の線量を低くしようと)下請け会社が手帳に今回の数値を載せないことも考えられる。会社は仕事をもらえるかもしれないが、結局ババを引くのは作業員だ。

福島第1原発:「ババ引くのは作業員」嘆く下請け社員(毎日新聞2011/4/21/2:36 最終更新4/21/7:36)

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110421k0000m040167000c.html


原発事故が東電の工程表どおり6〜9ヶ月で終息する見込みは低い。そうなれば作業員の方々は次々に被曝限度に達し、また次々に新たな作業員がかき集められては現場に送り込まれ、被曝していくのだろう。


原発とはほんとうに罪深い。

子どもに20ミリシーベルト!? 追記

4/20(水)の大阪毎日ラジオ放送(MBS 1179)たね蒔きジャーナルでも京都大学原子炉実験所助教小出裕章先生がこの問題について解説している。

【福島原発】2011_4_20_水★1_計画的避難区域-2_再び水素爆発の恐れは?

http://www.youtube.com/watch?v=VgKcXihGcKs


文科省が、福島県内の幼稚園、保育園、小中学校の校舎を普通に利用するときの放射線量の限界を3.8マイクロシーベルト/時とする通知を出した。これは一般人の生活空間の放射線量0.05マイクロシーベルト/時の実に76倍。


算出の基準になっているのは、普通の学校活動をするにあたって年間20ミリシーベルト/年という数値。これは法律で定められている一般人の被曝限度年間1ミリシーベルト/年の20倍である。


この3.8マイクロシーベルト/時という値が外部被曝の値であるということを忘れてはいけない。放射能で汚染された砂や泥が口の中に入ったり、砂埃を吸い込んだりして内部被曝すれば、もっと大きな被曝になる。


文科省はまた、この基準値を超える13の園や学校に対しては、屋外活動を1時間程度に制限。土や砂が口に入った場合はよくうがいをしてください。砂埃がたったら教室の窓を閉めてください、と通知しているそうだ。


外で泥だらけになって元気いっぱい遊ぶべき子どもたちに、こんなことをさせなければいけないようにしたのは誰か。


原発を作るような社会を容認してしまった日本の大人の一人として、私にもその責任がある。


事故は終息していない。事故の拡大、汚染の拡大も起こりうる。成り行きによっては20ミリシーベルト/年という引き上げられた基準さえ反故にされる恐れがある、と小出先生は危惧する。


福島だけの問題ではない。

2011年4月20日水曜日

子どもに20ミリシーベルト!?

文部科学省が福島県内の学校の放射線被曝安全基準について、あくまで「基準は20ミリシーベルト」とし、子どもの年間被曝限度も一般人と同等に扱う、としているそうだ。明日21日(木)にも基準を発表する可能性が高いらしい。

「高木文部科学大臣会見(平成23年4月15日):文部科学省」

http://www.youtube.com/watch?v=aGREFhInQkM


この年間20ミリシーベルトという数字は何を意味するのか?

京大原子炉実験所助教の小出裕章先生によると、

放射線を浴びるということには必ずリスクがある。それを認めた上で、日本の法律は普通の日本人の被曝限度を1年間で1ミリシーベルトと決めた。この基準はそれを1年間浴び続けると1万人に1人がガンで死ぬ程度のリスクを表す。これは毎年蓄積されていくので、仮に人間が100歳まで生きるとすると、100人に1人がガンで死ぬことになる。20ミリシーベルトというのはその20倍なので、リスクは20倍になり、仮に人間が100歳まで生きるとするなら、5人に1人がガンで死ぬというリスクを表す。

大阪毎日ラジオ放送(MBS 1179)たね蒔きジャーナル 2011/04/11/月

http://www.youtube.com/watch?v=4CR6KSzVqwI


さらに子どもは大人よりも放射線の影響を受けやすいというのに、信じられないことだ。


福島県が4月5〜7日にかけて、全県の小中学校などを対象に放射線モニタリングを実施したところ、調査対象の小中学校などの75.9%が、法令で定めるところの「放射線管理区域」基準を超えていることが観測され、全体の20.4%が、管理区域よりもさらに厳しい管理が求められる「個別被曝管理」が必要となりうる放射線が観測されたそうである。

「確実に広がる放射能、福島県内学校の75%が放射能『管理区域』レベルの汚染」(東洋経済オンライン11/04/14/10:28)

http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/77b1f6c632e436b9bd3d14d5796877ee/page/1/


要は、放射線量が高くて一般人が立ち入ってはいけないような場所で、子どもたちが勉強したり遊んだりしているということだ。「校庭などに放射能がある場合、風によって舞い上がるのはもちろん、背が低い子どもたちが大人よりも放射能の影響を地面から受けやすい」とも同記事は指摘している。


地震と津波という天災でつらい思いをしている被災地の方々に、さらに避けうる人災で追い打ちをかける日本の政府って一体なんなんだろう。自分の子どもだったら同じ学校に通わせますか?と聞きたい。

2011年4月19日火曜日

福島原発事故の貴重な情報源:「たね蒔きジャーナル」

福島第一原発事故については、東電・政府・マスコミこぞって異常なまでに矮小化された発表・報道がされており、事態の深刻さが正確に伝えられていないばかりか、真実を知るための情報源が妨害されている形跡もあちこちに見受けられ、まるで戦中の洗脳、情報統制を見るような不気味さを感じています。


私は原発についてはまったくの素人ですが、今この時期に無関心であることは一番の罪であると感じます。私が信頼できると思う情報源から得た情報や勉強したことを、この場でできるだけみなさんとシェアしていきたいと思います。


まずは貴重な情報源をご紹介します。


大阪毎日ラジオ放送(MBS 1179)たね蒔きジャーナル 毎週月〜金 夜9:00〜10:00

http://www.mbs1179.com/tane/

* 番組の一部で、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生が福島原発で今起きていることについて、素人にも分かるように丁寧に解説してくださっています。


日本にお住まいの方は、関西以外でも、地域によってはコンピュータで聴くことができるようです。

http://www.mbs1179.com/radiko/


福島原発関連部分だけ毎日YouTubeにアップしてくださっている方がいて、私はそちらで毎日聴いています。

http://www.youtube.com/user/nyugankenshin

2011年4月18日月曜日

福島原発事故は6〜9ヶ月で終息できるか?

昨日東京電力は、福島第一原発事故の終息に向けた工程表を発表し、6〜9ヶ月で終息させるという目標を示した。果たして実現性はあるのか?


大阪毎日ラジオ放送(MBS 1179)「たね蒔きジャーナル」で京都大学原子炉実験所助教小出裕章先生が解説しておられる。


YouTube

【福島原発】2011_4_18_月★東電の工程表について

http://www.youtube.com/watch?v=DN-jfR0iI3o

http://www.youtube.com/watch?v=ZozryTqb9Y0


小出先生によると、6〜9ヶ月で終息というのは、これまで東電・政府が一貫してそうだったように甘すぎる見通しであり、まず不可能であろうとのこと。


理由その1:作業員の被爆環境がひどすぎる。


一般人の被爆限度は1ミリシーベルト/年。小出先生のような「放射線業務従事者」という特殊な人でも20ミリシーベルト/年が上限なのだそうだ。今回厚生労働省は非常時だということで、原発作業者の被曝線量をいったん100ミリシーベルト/年に引き上げ、さらに250ミリシーベルト/年に引き上げた。これだけで非情な数字である。


今回ロボットを入れて測定した建屋内部の放射線量は3号機で最大57ミリシーベルト/時だったという。作業員一人あたり250ミリシーベルト/年という非情な被爆基準で作業したとしても、計算上4時間半で限度に達する。その後その作業員は二度と職務に復帰できない。つまり次から次へと被爆する作業員を集めてこなくてはならないということになる。


さらに最大57ミリシーベルト/時というロボットによる測定値は信用できる最大値ではない。なぜなら1号機建屋の外で作業員が事前調査をした結果、今回ロボットが測定した場所から40メートル離れた扉の外であるにも関わらず、270ミリシーベルト/時だったというのだから。


つまり工程表は作業員に対する非情な数値と、ロボットによる甘い測定値に基づいて作られており、実現性は低い。


理由その2:高濃度放射線汚染水の除去に立ち往生している状態であり、作業員が作業できる環境が作れていない。


避難されている住民の方々に政府・東電は6〜9ヶ月で帰れるような説明をしているようだが、残念ながら現実はそうはならないだろうと小出先生は見ている。「現実はものすごく厳しいということをきちんと言わなければならない。現実を正確に伝えることが唯一の正直な立場だ」と小出先生は言う。


小出裕章先生を初め原子力科学者の立場で原子力開発に警告を発し続けてきた異端の科学者たちを扱った

「なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所“異端”の研究者たち〜」

http://www.youtube.com/watch?v=-pqrpabtm4s

http://www.youtube.com/watch?v=a4c2Dca-Brg

http://www.youtube.com/watch?v=e0AFOOyglC4

http://www.youtube.com/watch?v=kjvmsnVqAPg

という番組の中で、チェルノブイリ原発事故や過去の核実験の影響の研究をしておられる今中哲二先生は言っている。


「それまで何百年、そこで生活してきた人々の文化、地域社会そのものがごっそりなくなってしまうということが、たったひとつの原発事故で起きてしまった」


今中先生はこうも言っている。


「核実験場周辺の人たちの怒りや悲しみは科学では解明できない」

2011年4月6日水曜日

京大原子炉実験所・“異端”の研究者たち

「原発事故はメルトダウンの危機を脱し、長期化はしそうだけれども、状況は安定している」という政府・東電・マスコミこぞっての一大情報操作に、私も一度は騙されかけていた。けれども途中で何か怪しいと思い始めた。私は母が福島の出身で、私自身も幼少時代を過ごした。福島には知人も親戚もいる。放射線量は「直ちに健康に影響のないレベル」と言うが、本当なのか。真実を知りたい。そう思って模索しているときに、参加しているメーリングリストでこのドキュメンタリーが紹介されていた。


なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち〜(2008年10月19日 毎日放送(MBS)放映)

http://video.google.com/videoplay?docid=2967840354475600719&hl=ja

上記URLは2011/4/29に削除されるということなので、以降は下記のYouTubeをご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=-pqrpabtm4s

http://www.youtube.com/watch?v=a4c2Dca-Brg

http://www.youtube.com/watch?v=e0AFOOyglC4

http://www.youtube.com/watch?v=kjvmsnVqAPg

原子力科学者という立場で、40年にもわたって原発の危険性を訴え、警告を続けてきた「異端」の科学者たちを扱ったドキュメンタリーである。

原子力を推進するという国策に反する研究活動をしているため、迫害され続け、地位も「助教」(昔でいう助手だそうだ)のまま。それでも自分たちの信念を曲げず、正しいと思うことをし続けてきた科学者たち。


ものすごく感動した。やっと本当のことを教えてくれる人たちに出会えたと思った。以来、同実験所の小出裕章先生や今中哲二先生の発言に注目している。


ほんとうに偉い人というのはこういう人たちのことだ。

地位や財産ではない。人間としての品格の高さだ。

そして生き様は顔に出る。

こんなに誠実で良心的な科学者もいるということが本当にありがたい。


このドキュメンタリーを制作したプロデューサーにも拍手を送りたい。

ちなみにドキュメンタリー放映後、関西電力は毎日放送のスポンサーを下りたそうです。

2011年3月25日金曜日

あえて最悪のシナリオとその対処法を考える

広告に依存しないジャーナリズムを目指すインターネット放送局ビデオニュース・ドットコムの好企画。


「あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」

http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php

または

http://www.youtube.com/watch?v=7W3ZI6ENAl0

http://www.youtube.com/watch?v=lvrrSbbScMU


必見です。


「不必要な不安を掻き立てることは避けなければならない。しかし、人体や環境に長期にわたり不可逆的かつ深刻な被害をもたらす原発事故は、予防原則の立場に立ち、常に「最悪の事態」を想定して対応する必要がある」と番組趣旨にある。


同サイトから各専門家の見解を要約・抜粋します。理解や用語に誤りがあれば、私の責任です。


京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏が想定する「最悪シナリオ」とは:

燃料棒が溶け落ちて(メルトダウン)水蒸気爆発を起こし、原子炉内の燃料から放射性物質がすべて環境中に放出される。1〜3号機のいずれかで爆発が起きれば、作業員は全員退避となり、冷却作業ができなくなるので、他の号機も連鎖的にメルトダウンする。


NPO環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏が想定する「一番現実的な最悪シナリオ」とは:

爆発が起こらずとも、冷却作業を続ける間に、大気中、水中、土壌に長く放射能が漏れ続ける。住民の避難や水道水、海産物の汚染が長期間続くことになる。


放射線が人体に与える影響を専門とする琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬氏の弁:

体内に放射性物質が入ることで起きる「内部被曝」の危惧が高まった。今は怯えている段階ではなく、被曝は避けられないという意識を持ち、できる限りの手段で防御策をとることが必要。


放射線医学の専門家で元岐阜大学医学部助教授の松井英介氏の弁:

外部被曝では、外部からの放射線は体を透過する。内部被爆では、尿などにより体外に放出されず体内にとどまった放射性物質が、アルファ線・ベータ線を出し続け、繰り返し遺伝子を傷つける。「ただちに健康に影響はない」という説明は、皮膚がただれるなど急性症状にはならないと言っているのか、何を意味するのかの説明がない点が、われわれの不安の元になっている。内部被曝で重要なのは、急性の症状ではなく、遅れて発症する「晩発(ばんぱつ)障害」、もうひとつは「蓄積性」。水道水などから検出された放射性ヨウ素131は、体内では選択的に甲状腺に蓄積される。また、小さい子どもは特に影響を受けやすいため、成人男性とはまったく別の問題として考える必要がある。


是非じっくりご覧ください。