2009年3月26日木曜日

ニュピ体験記

件のニュピがやって来た。ニュピというのはバリで使われている3つの暦のうちのひとつ、サコ暦の新年に当たり、悪霊が徘徊する日なので一切外出が禁じられ、家で静かに過ごさなくてはならない。本来は火の使用も禁じられ、食事も含めてあらゆる活動を停止し、瞑想して過ごす一日らしいが、最近はその部分は緩くなっているらしい。それでも、外出禁止なので当然のことながら街の機能は全面的にストップする。人々は食糧の買いだめにスーパーに走る。

ニュピ前日は、村の辻やそこここにブト・カロ(邪鬼)へのお供え物が置かれ、夕方から鳴り物をガンガン叩いてブト・カロを退散させる。本来ならばオゴ・オゴと呼ばれるブト・カロを模した張り子をもって練り歩く、という行事があるそうなので楽しみにしていたのに、今回は4月に控えた選挙への治安上の配慮から、オゴ・オゴはないのだそうだ。まったく残念である。

さて、当日は朝から快晴であった。静寂の中で、私は誰とも喋らず、次から次へと本を読んで過ごした。食べ物の買い置きをし損なったので、家にあるものを質素に食べた。日が沈んだあと、真っ暗な部屋でぼーっとしていたら、見回りに来た管理人さんご一家が心配して、カーテンを閉めて灯りをつけなさい、と教えてくれたので、言われたとおりにしてまた本を読んだ。街灯のない暗月の次の夜は本当に真っ暗である。そのかわり星がよく見えた。こんな「謹慎」のような沈黙の一日というのも、たまにはいいものですね。

さて、翌朝はさすがにうずうずして、朝一のヨガのクラスに出るべくいさんで6時半頃家を出た。ところが、ヨガのクラスのチケットを買うために、銀行のATMでお金をおろそうと思ったら、どこも動いていない。考えてみれば当然なのだが、ニュピのためにATMも全部ストップしていたらしい。結局朝8時くらいになって、ようやく銀行のエンジニアの人がATMを再開しに来たところをつかまえて、お金をおろし、次のヨガのクラスに参加した。みなさん私と同じく活動したくてうずうずしていたと見えて、クラスは大盛況だった。