午前11時過ぎ、Mlちゃんの同僚でペルー人のAさんが大型の車でデジタルピアノを引き取りにくる。だんなさん、息子、だんなさんの家族も一緒だ。Aさん以外は全員ブラジル人だと聞いて、ポルトガル語で話そうとするのだけれど、思うように言葉が出てこない!ピアノを車に運び入れたら、人が乗るスペースがほとんどなくなってしまった。体を縮めてどうにか全員乗りこみ、帰って行くAさん一家を見送る。さよならピアノ。ピアノがなくなった玄関が急に広くなった。
午後2時頃、Mlちゃんが来る。渡し忘れていたお土産などを渡し、不要品の中から必要なものがあるかみてもらう。会社で使うだろうと段ボール1箱分の書類用ファイルを引き取ってくれた。
それからMlちゃんの車で出かける。疲れていて、とてもコーヒーが飲みたい。珈琲館で甘いクリームののったコーヒーを飲む。
華蔵寺公園へ。公園の中をぐるぐる散歩しながらおしゃべりをする。
日系ブラジル人3世のMlちゃんとは知り合ってもう15年ぐらいになるだろうか。私が地元に帰って日系ブラジル人対象の日本語教室を開いていたときに知り合った。日本の入管法が改正になって日系ブラジル人がどっと日本に出稼ぎに押し寄せ始めたとき、Mlちゃんもお姉さんを頼ってサンパウロからやってきた。その後お姉さんはブラジルに帰ってしまったが、Mlちゃんは一人で日本に残り、以来20年ずっと日本で真面目に働いている。
日系人と言っても3世ともなれば日本語はほとんどできない。Mlちゃんも来たときは日本語がほとんどできなかったと言うが、人一倍のがんばりやさんで、今や日本語能力試験1級を取り、働きながら地元の夜間高校を卒業し、医療系の通訳ができるまでになった。
大家族のMlちゃんは家族思いで、自分よりもいつも家族のことを優先してきた。そのMlちゃんが始めて来週スペインにいる友人を訪ねて旅行に行くという。Mlちゃんのなかで何かが吹っ切れたのだろう。良かったなあと思う。
出稼ぎブラジル人の多い伊勢崎市にはブラジル人用スーパーもあり、ブラジル食材も買えて楽しい。Mlちゃんが私の家族にとPão de Queijoを買ってくれる。Pão de Queijoというのはブラジルではポピュラーなもちもちしたチーズパンだ。それから二人でchurrosを食べる。churrosというのは細長い砂糖をまぶしたドーナツみたいなもので、中の中空部分に甘—いクリームが入っている。頭がキンキンするほど甘い。ブラジルの味だ。
Mlちゃんに家まで送ってもらい、別れる。
夜はまた母にコンピュータを教える。スカイプ、メールを見ることはどうにか大丈夫そうだ。後は毎日少しずつでもキーボードに慣れていけば、だんだん打てるようになりそうだ。
なぜか大事なCDのデータがiTunesライブラリから抜け落ちていることが分かり、慌てて読み込みを行なう。気づいて良かった!