
今夜は楽しみにしていたギタリスト阿部浩二さんのライブが下北沢であるため上京する。
それに合わせて、ウブドで知り合った画家Mkさんとランチの約束をした。
Mkさんは日本の美大を出てから、バリ島デンパサールの芸術学校に1年間国費留学した。その後私費でウブドにとどまり、本業の絵画にとどまらず、音楽、舞踏とバリの芸能をどん欲に吸収し、一方ではバリの子どものための教育プロジェクトを立ち上げて、子ども図書館まで作ってしまった、というおもしろい人である。2年半のバリ生活を終え、つい先日帰国したばかりだ。
偶然Mkさんの家が、私が住んでいたたまプラーザの隣の鷺沼であることが分かり、たまプラのレストランで待ち合わせしたのだが、この日ご家族に緊急事態が発生し、待ち合わせを遅らせてほしいとの連絡が入った。
そこでいったんたまプラの外人ハウスにチェックインし、夕方まで何をしようか考えて、二子玉川の天然温泉に行くことにした。
ひと風呂浴びて夕方、二子玉川駅のホームでMkさんと待ち合わせた。
長身だということもあるのだが、はつらつとして個性的なMkさんの存在感は人混みの中にあっても際立つ。
ライブが行なわれる下北沢に向かう途中の渋谷駅でMkさん、お腹が空いているので何か食べてもいいですかと聞く。もちろんどうぞと言うと、大福屋に突進して大福を買う。売り子さんが包もうとするのを「あ、包まなくていいです!そのまま食べます!」と慌てて制し、歩きながら大福をほおばっている。20代の女の子で、歩きながら大福を頬張るのはMkさんくらいではなかろうか。

これに限らず、Mkさんはなんか昭和なのである。名前からして昭和の女優さんみたいだし、顔も吉永小百合にちょっと似ている。
しかも彼女は「七人の侍」をこよなく愛し、三船敏郎をアイドルとしている。
私はこの有名な黒澤作品を、初めてMkさんと観た。しかもMkさんが交通事故を起こしたその日の夜、 私の部屋で、Mkさんが買ってきてくれたプリンとシュークリームを頬張りながら、3時間半に及ぶこの大作を黙々と観たという不思議な思い出がある。
脱線したが、さて今夜はそのMkさんにライブに付き合ってもらう。まずは韓国料理屋で腹ごしらえし、会場へと向かった。