2010年8月4日水曜日

Visa Runの一日

シンガポールのビル群

60日に一度、出国しなければいけない。
ビザのためである。
と言っても、60日毎にビザを取り直すわけではない。
これがインドネシアのビザ制度の変なところなのだが、私は1年間有効のビザを持っている。
にも関わらず、連続滞在日数が60日を超えてはいけないのである。
変でしょう。
というわけで、60日毎に出国しなければならないのだ。これを俗にビザ・ランという。
せっかくだから旅行をかねて楽しくあちこちへいきたいところだが、2ヶ月に一度となると金銭的にかなり負担である。
それで毎回対策に頭を悩ませる。
今回は最も航空券が安く、日帰りができるシンガポールに行くことにしたのだった。

朝7時のフライトで行き、夜9時のフライトで帰ってくる。
というとわりと余裕がありそうに聞こえるが、国際線の2時間前のチェックイン、空港まで/からの移動、入国審査などの前後を考慮に入れると、早朝3時起きで4時には家を出て、家に帰り着くのは夜中の1時過ぎ。やっと寝られるのは2時頃という、ほぼ丸一日の強行軍なのだった。
シンガポールまでのフライト時間は2時間半。空港と街が近いので、現地での時間が7時間くらいとれるのは強みである。

さて、シンガポールには何度も行っているものの、日帰りは初めて。短い時間を有効に使えるよう、ざっくり計画を立てて出発した。
ところが早朝デンパサールに着くなり、先が思いやられるような事態が発生した。
2時間前にチェックインカウンターに行くと、3つあるカウンターのうち1つしか開いていず、すでに結構長蛇の列。ところがどういう問題なのか、一人の客のチェックイン手続きが延々と終わらない。30分以上もかかったろうか。ようやく次の客に移ったと思ったら、これもまた延々と終わらない。こんな調子で、列がちっとも進まないまま1時間が経過したところで、ようやく2つ目のカウンターが開き、それでも一向に列はさばけず、最後にようやく3つめのカウンターも開き、私のチェックインが終わったときはすでに搭乗時間(出発時間の40分前)をゆうに過ぎていた。私の後ろにもまだまだ列は続いていたから、定刻通りに飛ぶのだろうかと危ぶまれたが、どうにか定刻通りに出発した。長い一日になるというのに、チェックインに1時間半近くも待たされ、しょっぱなからどっと疲れてしまった。

チェックインの長蛇の列

定刻通りにシンガポールに到着すると、シンガポールは雨。
MRTでとりあえずオーチャードに向かい、まずはカフェに入って眠気覚ましにコーヒーを飲みつつ、計画を立てる。この辺りの町並みはまるで銀座のようだ。

オーチャード通り

まず伊勢丹へ行って、日本食材を物色。味噌と海苔を調達した。梅干しは高いので断念。
その後はオーチャード通りを銀ブラならぬオーチャードブラ。あちこちの店を冷やかしながらドービーゴートまで歩き、和風茶房に入って抹茶アイスを食べる。

その後はリトルインディアでインド料理を食べようかなあとも思ったが、なんだか海が見たくなり、バスでマリーナスクエアに向かう。ショッピングモールでウィンドウショッピングした後、フードコートでやっぱりインド料理を食べた。
インド系人口が多いマレーシアやシンガポールではとても気軽に安くインド料理が食べられるのだけれど、バリでは高い店に行かないと食べられない。それでインド料理が恋しかったのである。
しかし普段は食べられないと思うとついつい欲が出てあれもこれもと頼んでしまい、最後はちょっとくどくて、インド料理はしばらくいいです、という状態になってしまった。
東京にいた頃、たまにシュハスコの食べ放題に行くと、欲張って食べすぎて、もうしばらく肉は見たくありませんという状態になったことを思い出して、自分で自分に苦笑してしまった。

マリーナスクエアからの眺め

そんなことをしているうちに空港へ向かう時間が来た。
開通したばかりのサークルライン(MRTの新線)に乗って、空港へ戻る。
同じ航空会社でもさすがシンガポール。カウンターの数も多いし、非常に効率的に物事を進めている。チェックインはものの5分で済んだ。
今度は搭乗時間まで余裕たっぶりなので、免税店をのぞいたり、お茶を飲んだり、なかなか楽しく過ごすことができた。

効率のよいチャンギ空港でのチェックイン

帰りのフライトの機内では、どうやら私と同じようなビザ・ラン組が多かったと見えて、あちこちから「バリに住んでいるんだけど、ビザの関係でね」という会話が聞こえてきた。

デンパサール空港に着くと、次なる運の分かれ目は入国審査である。いつもここで30分近くは待つはめになるのだが、今回は早め早めに入国審査に到達するように計算して動いたら、列の2番目につくことができ、ものの5分くらいで通過することができた。ラッキーである。

税関を抜けると自由の身。迎えを頼んでいたドライバーのJの姿を見つけ、帰途についた。
聞いたらJ、フライト時間を勘違いして3時間早く来ていたそうだ。何でも私がフライト時間を書いて送ったSMS(携帯メール)を間違って消去してしまったらしい。だったら私にSMSして聞けばいいものを、恥ずかしいし、私はシンガポールで忙しくしているだろうから悪いと思ったそうだ。こういう話を聞くと、効率とか合理性とかを考えてしまう日本人の私は、ついお説教してしまいたくなるのだけれど、JはJのやり方でちゃんとドライバーをやっているのだし、Jを贔屓にしているお客さんもたくさんついているのだから、私が口を出すことじゃないよな、と喉まででかかったお説教を引っ込めた。

家に着いたのは夜中の1時過ぎ。シャワーを浴びてベッドにもぐりこんだのは2時近くであった。