このところ細野原発担当大臣などから盛んに「徹底的に除染して、避難している住民の方々に早く帰ってもらえるよう全力を尽くす」というような発言が聞かれる。
8月6日放映 テレビ朝日 報道発ドキュメンタリ宣言より
細野原発担当大臣への提案(1/2)/チェルノブイリ... by sean2010jp
細野原発担当大臣への提案(2/2)/チェルノブイリ... by sean2010jp
そう聞くと、いかにも除染さえすれば放射能は消えて、住めるようになる、という印象を受ける。
住民の方々なら尚更、その言葉にすがりたくなるだろう。
しかし、ことはそんなに簡単だろうか?
それならなぜ、チェルノブイリでは25年経った今でも、30km圏内が立入禁止区域になっているのか、なぜいまだに30km圏外の汚染地域に人が住み続け、病気になり続けているのか、と常々疑問に思っていた。
こちらのブログにもその懸念が表明されている。
政府や行政が「除染」という単語にすがろうとしているのを私は訝しく思う(2011-08-17 放射能防御プロジェクト 木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」)
確かに、子どもが集まる幼稚園や学校は徹底的に除染すべきだと思う(これは福島県内だけでなく、日本全国で細かい測定をして、早急に実施すべき)。
国会で「満身の怒り」を表明して話題になった東大の児玉先生が、南相馬市で行っている除染活動などは、とても意義のあるものだと思う。
8月1日放映 テレビ朝日 モーニングバードより
モーニングバード 児玉龍彦教授の除染活動に密着 by plutoatom
でも、非常に汚染の激しい地域を除染して、また人が住むことができるようにすることが本当にできるのだろうか。
まさにこの問題に焦点を当てた番組が放映された。
8月18日放映 テレビ朝日 モーニングバード そもそも総研たまペディアより
そもそも総研 そもそも政府は放射能を甘くみてるん... by plutoatom
そもそも総研 そもそも政府は放射能を甘くみてるん... by plutoatom
京大原子炉実験所助教で、チェルノブイリの研究者である今中先生によると、
チェルノブイリでも除染は試みられたが、財政的にも物理的にもとてもやりきれなかったという。
日大生物資源科学部講師で、福島で支援活動を行っている小澤先生によると、
市街地であれば除染が有効な場合もある。
しかし、取った土や草をどこに持って行くのかという問題がまだ解決していない。
また高圧洗浄で洗い流しても、水は下流に流れていき、そこで新たな汚染の問題を生む。
山間部においては、農地だけ除染しても、周辺の森林からまた放射性物質が流れ込んだり、飛散してくる。
地域全体を除染しようと思えば、土を削り、森林ならば木を切り、草を全部刈り払い、その上で腐葉土から表土を全部削るということをしないと、本当の除染にはならない。
こんなことが本当にできるのか。
にも関わらず、政府が早々に警戒区域を解除するなどと言うのはどういうわけだろう。
まったく無責任、人命軽視も甚だしい。
福島の子どもたちの代表として、政府に気持ちを訴えた橋本伽耶さん(中2)は、
友だちとばらばらにならなくてすむよう集団疎開を要望し、
「みんなで避難している間に、学校も田畑も森も山も川も、福島県全域を徹底的にきれいにする計画を立てて、それを実行してください」と訴えた。
そして終了後の感想では
「集団疎開のことが決まってないなら、決まってないと答えてくれれば良かった」と言った。
政府がすべきことは、事実をうやむやにしたり、将来の見通しを曖昧にして、幻想を抱かせることではない。
現状や見通しを正確に、誠実に、伝え、集団移住や疎開などの補償、支援をしっかりすることだ。
その上で、日本の英知と技術力を結集して、除染を研究してほしい。
チェルノブイリの経験から学び、できることをすべてやってほしい。
ひとりでも多くの人が、故郷を取り戻すことができるように。
そのための莫大な費用を思えば、電源三法交付金など出している余裕はないんじゃないの?