8月19日放映(8月16日収録) ケーブルテレビ局 朝日ニュースター「宮崎哲弥のトーキング・ヘッズ 国家と情報 Part 2 上杉隆」
福島第一原発事故の報道に関して、真実を追究して報道するというジャーナリズム本来の役割においてまったくの機能不全に陥ったばかりか、「安全、安心、直ちに健康に影響はない」という政府・東電の大本営発表を横並びに垂れ流し、真実を伝えないという不作為によって、国民に無用な被曝を強いるなど“報道による災害”を広げ続けている日本のマスメディアの絶望的な末期的状況について、フリージャーナリストの上杉隆が語っている。
トーキングヘッズ 宮崎哲弥 上杉 隆 国家と情報Pa... by plutoatom
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【内容をかいつまんで…】
早い段階で史上最強の猛毒プルトニウム(吸い込んで、ほんの少しでも肺に付着すれば、半永久的[半減期24,000年]に放射線を出し続け、肺ガンを引き起こす)が検出されていたことも、メルトダウンしていたことも、格納容器の破損も、メルトスルーも、放射能が飛散していることも、海洋にストロンチウム90が漏出していることも、海産物にも農産物にもセシウムが付着していることも、東京湾などの昆布やわかめにヨウ素が大量に検出されていることも、SPEEDIの試算結果も、すべて政府・東電は隠蔽し、マスコミがそれに加担した。
20年以上の歳月と100億円とも言われる税金を費やして開発されたSPEEDIはまったく役立てられなかった。日本人はインターネット上でノルウェーやドイツ気象庁が発表してくれていた放射能拡散予測に頼らなければならなかったが、実はそれは日本の気象庁が海外(IAEAなど)に報告していたデータに基づいていたという。つまり政府は国民には一切公表しなかったデータを海外には公表していたのである。その普通なら大スキャンダルになることさえ、マスコミは口をつぐんだ。
例えば、3月14日午後から15日にかけて、3号機の爆発により、空間線量は環境基準の100万倍に達し、放射能はまず西北に流れ、飯舘村、伊達市、福島市を汚染し、それが南下して、二本松、郡山、白河、千葉の柏を汚染した。3月23日は雨雲が東京に向かい、放射能の雨を降らせた。このことを少なくとも東電と文科省は予測できていたのに、公表しなかった。
これほどまでに重症なマスコミの機能不全は一体何によるものか。
膨大な広告費によりがんじがらめになった結果か。
もちろんそれもある。
でもそれだけではない。
日本的な横並びの意識、突出することを嫌う日本人的思考が、このような状況を生んでいる、と上杉隆氏は分析する。
ここで宮崎哲弥氏が、山本七平氏の「『空気』の研究」という著作を引用しているのがおもしろい。曰く、「日本人というのはその場の空気によって支配される。そのことによって、道を誤ってしまう」。
【筆者のつぶやき】
なるほど、と思う。こと原発報道に関するマスコミの異常なまでの過小報道ぶりは、広告主への遠慮だけではないわけだ。
マスコミだけではない。横並び、人と同じであることに安心し、突出することを嫌う、この日本人的な心的態度が、一般大衆を強く支配していると感じる。
原発や放射能の話題は一種のタブー。そんな話を出そうものなら「ああ、イデオロギーの人ね」という目で見られ、疎んじられる。放射能が怖いから避難すると言えば、大袈裟とか神経質とか言われる。テレビが、新聞が、政府が大丈夫って言ってるんだから大丈夫でしょ。赤信号、みんなで渡れば怖くない。
王様は裸だ!と本当のことを言った者は“不安を煽った”かどで糾弾される。
大切なのは真実ではない、安心・安全という集団幻想を壊さないこと、というわけだ。
溶けた炉心は格納容器の底を突き破り、地中に潜っている。処理はどんどん難しくなっている。このまま潜り続けて地下水に接触すれば、地下水を汚染し、さらに海を汚すだろう。収束までは数十年かかるという見方もある。
海産物の調査では、国はコウナゴ以外の魚からは放射能は検出されなかったと言っているが、コウナゴ以外の大きな魚については、頭と骨と内臓を除いて検査していることが分かった。セシウムは身だけでなく頭や目にも溜まるし、ストロンチウム90は骨に溜まるので、それでは意味がない。
グリーンピースなどの調査により、大変な値が出たことから、地方自治体で検査したところ、すべての海産物からセシウムが検出された。このことも報道されなかった。
福島第一原発事故以降初の再稼働となる、泊原発3号炉の営業運転再開についても、北海道の高橋知事がその容認を決定した日に、この重大な記事が、北海道新聞の一面には掲載されていない。
民主党の代表選にしても、なでしこジャパンの国民栄誉賞受賞にしても、意図的に原発問題から目をそらすような操作(スピンコントロール)が行われている。
原発事故の収束抜きで増税とか大連立とか復興とかが議論されているが、
これからの日本は、企業は半数くらい海外へ流出し税収は半減すると言われ、海洋汚染の国際賠償は数百兆円に上ると見られ、未来を担う子どもたちは被曝による病気を抱え、その補償が必要になる。第一次大戦後のドイツのように、国力はなくなっているのに、賠償金だけ課されるという状態になる。
世界は、日本は“核マフィア”国家であり、先進国からすでに脱落したと見ている。
にも関わらず、日本のメディアはそれを報じず、日本人だけは自分たちは先進国だと思っている。
マスコミが機能しないならインターネットの報道の世界はどうか。
国はインターネット報道の弾圧にかかっている。予算をつけて、ツイッターの監視などを行っている。
セシウム牛にしても、稲わらや牧草の汚染は3月の時点から警告されていたし、実際には豚も野菜も海産物もすべて汚染されているにも関わらず、牛だけを採り上げて、そこだけに目が向くような報道が行われている。
このマスメディアの末期的状況は変わりそうにない。
(筆者注:上杉隆氏はあまりのマスメディアの末期的状況に絶望し、2011年12月31日をもってジャーナリズム活動を無期限休止することを宣言している。上杉隆 無期限活動休止のお知らせ)
【参考】
*ご興味ある方は是非ご一読を。海外が日本をどう見ているかが分かります。