いつも行く食堂にお昼を食べに行ったら、大通りで何かが行われているらしい。たくさんの人が見物に駆けつけている。何だろう、ウパチャラ(祭礼)かしら、でもそれなら日常茶飯事だからこんなに人が騒ぐはずもない、もしかして映画の撮影か何かかな、バリの人たちだって現代っ子だもんな、などと勝手にあれこれ想像を巡らしながら、食事を済ませて大通りに出てみると、私が甘かった。それはやはりウパチャラだったのだ。それも特大級の。王族の火葬祭礼だったのである。
以前も書いたが、バリの火葬は盛大で、明るい。黒い牛のハリボテと遺体を収めたやぐらのようなものが人々に御神輿のように担がれ、打楽器隊が奏でるサンバのように賑やかなリズム(後で気付いたのだが、それはケチャのリズムだった)に伴われて、火葬場へと向かう。王族ともなれば行列の規模も桁違いに大きく、やぐらなどはまるで五所川原の立倭武多のような高さである。消防車が伴走し、容赦なく照りつける太陽に汗だくの人々に水をかける。
火葬場に着くと、やぐらに収められていた遺体が黒い牛のハリボテに移され、様々な儀礼的手順が踏まれた後、盛大に燃やされる。
こんな光景に日常的に遭遇してしまうバリはやっぱりおもしろい。私は当分この場所を離れられそうにない。







